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労働基準法・就業規則Q&A 就業規則

■就業規則
19 就業規則を変更した場合、変更条文も含めて就業規則全条文を労働基準監督署に届け出なければならないのでしようか。
19 労基法第89条では、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。これを変更した場合においても同様である。」と規定し、その届出を義務付けています。

しかし、法令では、一部改正した場合について全条文を届け出る旨の規定はありませんし、すでに全条文については届出がなされているのですから、改正条文の届け出で足りると考えるべきです。
ですから
①改正前の条文
②改正後の条文
③労基法第90条で定めた意見書の3点を届け出ればよいわけです


20 賃金制度の一部を変更することになり、就業規則の変更届けを出すことになりました。しかし、この規則変更に対して労働組合が反対し、労働基準監督署に届け出る際の意見書の提出を拒否しています。このような場合、就業規則の変更は認められないのでしょうか。また、たとえ意見書が提出されたとしても、それが全面的に反対の意見書であった場合でも、認められるのでしょうか。
20 故意に意見を表明しない場合や、あるいは意見書に署名押印しない場合でも、「意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、これを受理するよう取扱われたい」(昭23.5.11基発第735号、昭23.10.30基発第1575号)とされ、また、反対意見の効力については、『労働組合の意見を聴かなければならない』というのは労働組合との協議決定を要求するものではなく、当該就業規則についての労働組合の意見を聴けば労働基準法の違反とはならない趣旨である」(昭25.3.15基収第525号)との解釈がされており、いずれの場合であっても有効となります。

同意を要件としていないのは、同意を必要とすれば結果的に労働協約の締結を強制することになるためです。ご質問の場合については、労基法第90条の規定には触れませんが、労働者の意見に対し十分な配慮と誠意が必要といえるでしょう。



21 正社員80名のほかに主婦のパートを10名ほど雇っているのですが、パートの就業規則がない場合、一般の従業員の就業規則の規定が適用されるということですが、どういう理由からなのでしょうか。また、パートの就業規則を作成しようと考えていますが、労働基準監督署に届け出する際に添付する労働者の意見書については、この就業規則が適用されるパートの意見を聴くだけでよいのでしょうか。
21 就業規則はその事業場で就労する「労働者」すべてに適用されるように作成しなければなりません。この場合、パートタイム労働者も含めて一律に就業規則が適用されるように定めても差支えありませんが、パートタイム労働者については、一般従業員と労働の内容、条件などが異なることから別に作成する企業も多くみられます。

問題となるのは、一般従業員に適用される就業規則はあっても、パートタイム労働者に適用される就業規則の作成がない場合、労働条件の履行をめぐりトラブルが発生したとき、何をよりどころにこれを解決するかが現実の問題とされます。
この点に関して裁判例の中には、適用する就業規則のない者の労働条件に関し、一般従業員の就業規則を準用することが最も合理的であるとしたものがみられます。

ところで、労基法第90条では、「使用者は、就業規則の作成又は変更について、
当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。」としていますが、一般従業員と他の就労者用の二つの就業規則を作成した場合、労基法第89条にいう就業規則というのは、この二つを合わせたものです。

つまり、質問の場合のパートタイム労働者の就業規則は、その事業場の就業規則の一部とみられるわけです。したがって、その作成については、労基法第90条の手続きに従って、過半数組合か過半数代表者の意見を聴かなければならず、パートタイム労働者だけの意見では法の要件に適合しない違法な措置となります。
したがって、パートタイム労働者の就業規則の作成や変更についても、過半数の労働組合か労働者代表の意見を聴けば労働基準法上は足りますが、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平5.6.18法律第76号)第7条、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針(平5.12.1 労働省告示第118号)では、これとは別にパートタイム労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くように努めることとされていますので、注意してください。



22 就業規則の効力が発生するのは、会社で定めたときか、それとも労働基準監督署に届け出たときか、あるいは労働者代表の意見を聴いたときか、いつからなのでしようか。
22 就業規則の制定、変更の際に労働基準監督署に届け出なけれぱならないことを労基法第89条で定めていますが、さらに労働者の団体的意見の聴取(労基法第90条)労働者への周知(労基法第106条)の二つを規定しています。これらの手続と関連して就業規則の効力発生時期はいつか、ということが問題となります。

学説としては、なんらかの方法による周知を就業規則の効力要件と解するものが多数を占めています。
判例として最高裁判所は、「周知の方法を欠いていたとしても、意見聴取がなされて労働基準監督署に届出られたものであるから、就業規則自体の効力を拒否する理由とはならない」(昭27.10.22最高裁大法廷判決、朝日新聞小倉支局事件)としています。
もっとも、下級審では「何らかの方法による周知を就業規則の効力要件」とする裁判例も多く出ています。

就業規則の法的性質を法規範説とするならば就業規則も一般の法令と同様に労働者に周知されてはじめて効力を生じると解するほうが妥当と言えるでしよう。

したがって、就業規則の効力発生の時期は、就業規則がなんらかの方法によって労働者に周知きれた時期以後で就業規則が施行日と定めた日と言えます。
単に会社で定めた時点でなく、労働者に周知させた時点以降ですが、施行期日の定めがないときは、その周知がなされたときに効力が発生すると解すべきです。

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