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労働基準法・就業規則Q&A 賃金

■賃金
12 道路の除雪のため、休日出勤を要請する場合があります。当日の朝自宅に出勤の有無を連絡し、出勤の必要が無けれぱ全く拘束はしないのですが、朝は自宅にいてもらう必要があります。この場合、賃金を支払う必要があるのでしょうか。
12 労働とは、一般的に使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることは要件としませんが、当日の朝に一定時間拘束される状態が、使用者の指揮監督のもとにあるか否かということになります。

例えぱ、仕事がある場合のみ就労するという労働契約の場合、その仕事の連絡を待っている時間が労働時間であるというのは妥当でないと思われ、本件の場合は、休日の出勤の有無の連絡のみ、かつ、当日の朝の短時間である場合には、労働者の時間の自由が保障されていないとまでは言えないと思います。
したがって、休日出勤の有無の連絡を待っている時間が短時間である場合はその時間に対する賃金の支払いは必要ありません。なお、実際に出勤させた場合は当然賃金の支払いが必要となります。


13 当社では交代制勤務を行っているため、一般健康診断の日程の都合がつかず、一部の者について、休日に会社に来て健康診断を行っています。この場合、休日に会社に来るのであるから労働時間として賃金を払う必要があるとの意見が社内であったため、賃金を支払っていますが、そのような対処でよろしいでしょうか。
13 健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払については、労働者一般に対して行われる、いわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものでありますが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営に不可欠な条件であることを考えますと、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいものです。


14 タクシー会社で、手当の一つとして、10月から3月までの「越冬手当」を12月に一括支給していますが、一部の運転手に売り上げが足切り額に届かず最低賃金を下回るものがいた場合、越冬手当が支給される前の10月、11月に最低賃金を下回った月は越冬手当をその月分だけ前払いし、それでも最低賃金を下回る部分を会社で補填していますが問題ないでしようか。
14 最低賃金とは、国が定めた賃金の最低額以上の賃金を、使用者が労働者に対し支払わなければならないというものです。最低賃金の対象となる賃金は原則として毎月支払われる基本的な賃金に限定されており、具体的には実際に支払われる賃金から、
①精皆勤手当
②通勤手当
③家族手当
④臨時に支払われる賃金
⑤1月を越える期間ごとに支払われる賃金
⑥時間外等割増賃金
を除外したものが最低賃金の対象となります。
そこで、越冬手当について考えますと、行政解釈では①冬営手当は寒冷積雪地で特定地域に勤務する者に10月から3月までの期間に対し支給する②冬営手当は毎年北海道は9月、内地は10月に一括支給するが転任その他の事由により受給資格の得喪を生じたとき又は受給額に変更を生じたときはその未経過期間分を月割りによって返納又は追給するという就業規則に基づいて支給される冬営手当について、支給期間の当初に一括支給しても、その期間の各月分の前渡しとして認められることから、平均賃金算定の基礎に算入し又は割増賃金の基礎となる賃金に含めて計算する旨示されています(昭25.4.25基収第392号)。

したがって、越冬手当が各月分の前渡しと認められる場合は、臨時に支払われた賃金に該当せず、最低賃金の計算に算入することで構いません。


15 当社では経営状況が厳しいため、賃金を引き下げようと思っていますが、留意すべき点について教えてください。
15 労働条件は、労働者と使用者との間の労働契約で決められています。労働契約で定めた労働条件は、労働者各人と使用者とが、それぞれ合意して取り決めたものであり、契約で定めた労働条件を変更する場合は契約当事者、つまり労働者各人と会社と.の同意によって変更することが原則となり、単に労働者に賃金の引下げを通告するなど一方的に引下げすることは認められず、労基法第24条に定める全額払いの原則に抵触することとなります。

労働者10名以上の事業場では労働条件を変更する場合は就業規則を変更する必要もあり、就業規則の不利益変更に反対する労働者を含めて不利益変更を強行する場合には、下記の判例で示された合理性が必要となります。
①変更の必要性の内容・程度
②変更により労働者が受ける不利益の内容・程度
③変更後の就業規則自体の相当性
④代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
⑤労働者及び労働組合への説得など交渉の経緯
⑥他の労働組合又は他の労働者の対応
⑦変更した内容と他同業社・他産業との比較など社会的妥当性

よって、賃金、退職金などの重要な労働条件については、そのような不利益を受任させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものでなければなりません。

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