■年次有給休暇
10 年次有給休暇について、午前や午後に1~2時間単位で請求があった場合に、請求のあったとおりに与えることは可能でしようか
10 年次有給休暇の目的は、労働者に所定休日のほかに毎年一定日数の有給休暇を与えることによって、心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図ることにあるとされていますが、労基法第39条の条文では「労働日」とあり、労働日単位を表していることから、分割が認められる最低単位は1日と解されています。 ただし、「年次有給休暇は労働日を単位とするものであるから、使用者は労働者に半日単位で付与する義務は無い」(昭24.7.7基収第1428号‐昭63.3.14基発第150号)とあり、「半日単位」での付与はできないとされていません。
したがって、労働者の請求に対して使用者はこれに応じて必ず付与する義務はありませんが、使用者が半日単位で付与することも違法ではないことになります。時間単位での付与については、法の趣旨から認められていませんが、法定を上回って付与した休暇分については労基法の制限が無いので時間単位で分割しても差し支えありません。
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11 1ヶ月後に退職する労働者から、年次有給休暇の未消化分を一括請求されましたが、引継ぎなどもある場合であっても、未消化分すべてを付与しなければならないのでしようか。
11 労基法第39条は、「使用者は前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」として、使用者に時季変更権の行使を認めているのですが、労働者が退職する際の残余の年休日数を一括請求した場合は変更すぺき他の日が無く、時季変更権を行使する余地はない(昭49.1.11 基収第5554号)とされています。
したがって、時季変更権の行使は不可能ですので、請求された時季に年休を与えなければなりません。
実務的な処理方法としては、労働者に事情を話されて退職日を先に延ばしてもらうか、本人の了解を得て一括請求された年休日数を減じてもらい、その分退職された時点での残日数に応じた手当の支払いとして処理される方法などが考えられます。 .なお、年休の買い上げは原則認められていませんが、この場合のように残っている年休日数が消滅したような場合はその日数に応じて調整的に金銭を付与することは、事前の買い上げと異なるので、即労基法第39条違反となるものではありません |
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