こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
年末に多いのですが、従業員に特別に何かの手当を支給する会社があります。特に毎年支給している訳ではないとして、賞与支払届の提出がないことがあります。
ご連絡を頂いていないために、年度末になって労働保険の年度更新の際に気づくことがあります。
話を聞くと、これは”餅代”とか”気持”であって賞与ではないと説明されるのですが、実質的には毎年のことで、一律の支給額、しかも同じ月に全員に支給されているなど、どう見ても私には賞与にしか見えないのです。
そんな会社様に限って8月の算定調査に当たります。
案の定、賞与支払届の提出がないとして是正を受けます。
そうすると、会社は社会保険料が徴収されるのですが、従業員に説明がつかず本人負担分を取りにくい。
また、月毎の変動手当であっても、何かのタイミングで一律の支給があったときは、これも賞与に見えてなりません。
月例の賃金と賞与の区別がされていないこともあります。
賞与とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3カ月を超える期間ごとに受けるものをいう。
これ以外は、いわゆる”報酬”として年に一度見直される社会保険料の月額に含まれるのですが、賞与はそれ単体で社会保険の届け出が必要で、保険料の徴収が必要です。
賞与、報酬いずれにも含まれないのは、いわゆる大入り袋のように、臨時の恩恵的、任意的な支給に限られます。
さすがに、支給額が一律で、同じ月に全員に支給されていれば、労働の対償としてそれは賞与でしょう、と判断されることが多いと思います。しかも年末であれば特に。