そんな理由で有休なんか認められるか!

2014年1月16日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

 

愛犬が病気に! 休暇を認めるか?

顧問先様で、従業員さんの可愛がっている愛犬が急病に罹り、看護のため午後から休みたいと申し出があったそうです。

お気持ちは分かりますが、人間と違い 『犬』 を対象とした看護休暇や介護休業制度は法律にありません。

我が子のように可愛がっていても、小学校就学前?の幼い子犬であっても、犬は対象になりません。となると、考えられるのが通常の年次有給休暇(以下「年休」という。)の取得です。

そこで、今回この顧問先様は、次の理由でこれを拒むことができるかどうか考えてみましょう。

 

①利用目的が不当なこと

②事前申請のないこと

 

利用目的で年休取得を制限できるか?

そもそも、労基法の年休制度は、労働で疲れた体をリフレッシュする目的で存在します。

短時間では疲れが癒えないので、労基法は原則一日か半日単位しか認めていないのです。(平成22年4月以降は例外的に時間単位でもOKです。)

 

一方、多くの会社の年休申請書には、申請の理由であったり、その目的を書く欄を設けています。

この目的が身勝手なものであったり、そもそも記入されていない場合もあるでしょう。

このようなときは年休を認めないと判断する会社も、実際あると思います。お気持ちはよく分かります。

しかし、このような判断を支える法的な根拠はあるのでしょうか? 

 

結論から申しますと、普通はその理由により年休を拒める余地や法的根拠はないといえます。

ただ、例外はあります。

例えば、休暇の目的が会社に損害を与えることの場合は年休は成立しません。

ですから、自社のストライキに参加するなどという理由はダメです。あと、故意による年休の一斉申請もストと同様にみなされます。

ちなみに、他社のストに参加する目的は認められます。

このことから、今回は利用目的を理由として拒むことはできないでしょう。 

 

理由が 『私用のため』 でも、年休申請を認めざるを得ないか?

最高裁の判例で次のようなものがあり、行政通達にもなっています。

『年次有給休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である』【最判昭61.12.18】

 

年休の申請理由は何の意味もないか?

では、会社としては申請理由を書かせる意味がないのではないか?

確かに個別の年休を認めるか否かという場面ではほぼ意味は無いともいえます。しかし、申請が多数重なったときに、理由によって優先順位を決めざるを得ないときはどうしましょうか?

また一方で、年休中は糸の切れた凧のように、まったく所在も連絡先も分からず、まるで行方不明状態になるのも問題です。

出勤予定日に出勤せず連絡が取れない状態で、万一事故や犯罪に巻き込まれていた場合、会社が堂々と 『理由など聞いてないので、何も知りません』 と言うことを、世間はどう思うでしょうか?

これらの意味で、申請理由や目的は記入があっても良かろうと思いますし、少なくとも聴取しておくべきでしょう。

それが万一事実と違っていても、会社の世間体は保たれると思います。

 

当日の申請でも認めなければならないか?

前提として、年休は労働者の請求によって権利が生ずる訳でなく、労働者はもともと有する権利を行使する時季を指定することで効果を生ずるとされています。

これを『時季指定権』といいます。

一方で使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合に限り、労働者の指定した時季を変更する権利『時季変更権』があるとされています。

このことを前提に考えれば、当日の直前申請による時季指定は、使用者による時季変更権行使の余地を奪う一方的なものですので、必ずしも認める必要はないでしょう。

少なくとも前日の申請により、使用者に時季変更権行使の必要を考慮する時間があって、事業の正常な運営を妨げないときに、労働者の労働義務が免除されるのです。

結論として、今回ご相談の顧問先様は、年休の利用目的を問わず、②の理由で従業員の申し出を拒むことができるということになるでしょう。

 

 

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