会社が被った損害額は従業員の賃金から控除できるか?

2015年2月24日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

会社の車をぶつけた、機械を壊したなど典型ですが、従業員の行為で会社が損害を被った際、会社としては 「従業員が悪いのだから従業員が修理代などを負担すべき」 と考えがちです。

会社は、従業員の労働によって利益を受けている以上、常にそれは正しいといえるのでしょうか?

 

故意に起こした事故と無過失の事故

従業員が何らかの事故により損害を発生させたとき、その原因によって従業員に責任を負わせるべき場合とそうでない場合とがあると思います。

例えば、会社を困らせてやろうと故意に事故を起こした場合や、明らかに行うべき注意を怠って事故を起こした場合などは従業員に非があると思われますが、たまたま操作を誤ったために機械を壊したとか、書類を紛失したなどの場合は従業員だけに責任を負わせることは不合理だと思うことがあるのです。

 

会社の業務上の経済的損失の転嫁ではないか?

会社はヒトとモノを使って運営されていると考えれば、ヒトがモノを壊すことやヒトが何らかの失敗を犯すことは潜在的なリスクとして認めるべきではないかと思います。

なので場合によっては、結果的に生じた損害を従業員だけに負担させることに関しては疑問を感じます。

 

請求する場合は何%までか?

とはいえ明らかに従業員に非がある場合は、損害額の何%まで請求できるのか?

上記を踏まえると、「100%はちょっと・・・」 という場合もあろうかと思います。

これの基準はありません。

古い判例では25%までという例はありますが、様々なシチュエーションを勘案していますので、広くこれが基準とまではいえないでしょう

 

賃金控除は許されるか?

実際に損害額を従業員に請求する場合、手っ取り早いのが賃金から控除するやり方です。

しかしこれには、若干問題があります。

労働基準法24条の、賃金の全額払いに抵触することが考えられるからです。

 

第24条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

 

しかし、この条文には続きがあります。

労働者の過半数代表との労使協定により定められたものは、賃金の一部控除として扱ってもよいといった内容です。

これには通達で、購買代金や社宅費など、事理明白なものに限るとなっています。

では、損害賠償額の控除はどうなのか? 通達の列挙には含まれていません。

しかし、実際の会社が支払った、または確定した損害額は事理明白でないとする根拠もないような気もします。

 

そして過去の判例に目を向ければ、次のようなものもあります。

「従業員に予告されるとか、その額が多額にわたらない等従業員の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものであるときは労働基準法第24条第1項の規定に違反しない。」

一般的な損害額を従業員に請求できる場合であって、それが多額に渡らない程度の賃金控除によることが問題となるとすれば、私としてはそれが許されないとする理由はあまりないと考えます。

 

要は、損害額はあまり容易に従業員に負担させるべきではないが、負担させるときは賃金控除は許されるべきだと思う訳です。

 

そのようなことがあり得るのならば、私は一応賃金控除の労使協定には列挙しておくことをお勧めしています。

なお、月の手取り額の4分のを超えるとか、一定額を超える控除は別の法律で禁止されています。

 

 

↓酒田・鶴岡・庄内のブログはこちらからも↓

にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 鶴岡情報へ にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 酒田情報へ にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 庄内情報へ
鶴岡情報酒田情報庄内情報

コメントを送る

あおば労務管理事務所へのお問い合わせはこちら

OLYMPUS DIGITAL CAMERA人事労務管理になんとなく不安…そんなとき、迷わずご相談下さい!

お電話・お問い合わせフォームにて、ご相談を承ります。

お気軽にお問い合わせ下さい。

フリーダイヤル 0120-31-9928

表記しておりますフリーダイヤルは【山形県内のお客様のみ】の
ご利用(携帯も除外)とさせていただきます。

TEL 0234-31-9928

県外・携帯電話からのお問い合わせはこちらへお願いいたします

お問い合わせフォームはこちら