こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
我々社会保険労務士事務所は、事業所様より顧問契約として毎月報酬を頂き、継続して関与して行くのが主流です。
しかし、ごく少人数の事業所様で、しかもあまり従業員の異動がないゆえ、労務管理というものがあまり必要とされていないような場合もあります。
そのような事業所様から契約を求められた場合、「顧問まで必要ですか? 」 とアドバイスというか、ヒアリングをするのですが、そのような場合も報酬は少なくてもいいから顧問契約が望ましいと感じています。
当事務所でもそのような事業所様とお付き合いを頂いています。
ところが、そういう事業所様はどういうときに当事務所に連絡すべきか分かっていません。 しかも賃金台帳すらなく複写の明細しかないことも多くあります。
毎年のことですが、そういう事業所様では労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎届のときに色々と手続き漏れが発覚するのです。
例えば、年金受給者の希望で社会保険を喪失し、その後退職した従業員様の雇用保険を1年間喪失していなかった とか、社会保険の資格取得すべき基準が分からず、取得すべき従業員の取得漏れが見つかった とか、賞与支払届が必要なことを知らず提出が漏れていたとか、もうたくさんの手続き漏れがこの時期に見つかります。
雇用契約書はおろか、退職届や明確な出勤簿もないということも少なくありません。
また、被扶養者の再確認では、子を扶養していたが、何年も前にその子は就職していて、しかも、現在失業中であって、勤務先でいつ社会保険の取得をし、いつ喪失したのか分からないということもありました。
何カ月も遡って月額変更や社会保険の取得をした場合は、その後の保険料の扱いが分からず、まず間違いなく給与計算の際に質問を受けます。
これらは、継続して関与する必要まではないと思っていたところ、そうではないことを示しています。
継続して関与し、毎月報酬を頂く契約を 「顧問契約」 というのに対して、必要なときに限って手続きを代行する契約を 「スポット契約」 と呼んでいます。
こちらがスポット契約だと思っている事業所様でも、顧問契約と変わらぬサービスを求めておられると考えられます。
毎月関与させて頂いておれば、給与や労働時間のデータを毎月入力するのでそれにより様々なことが発見できますし、いつから何がどう変わったのか記録できます。 それがなければ労務管理などできようもありません。 提供できる情報量は全く別物であり、入力済みのデータを活用するので別途頂く報酬はほぼありません。 必要な書式の提供や説明もできます。 このようなことは顧問先様に限定している事情はご理解いただきたく思います。
スポット契約ではその辺が事業所様任せになってしまうのでこういうことが起こると思います。
労務管理について関係法規に関する、少なくとも仕組み程度を扱うことができるレベルにない事業所様とは、スポット契約はできないと感じます。
このことから、税理士の先生だけで充分と考えているような極めて小さな事業所だからこそ、社会保険労務士との継続した顧問契約が必要だとも考えられるのではないか? と、今年も肌身で感じました。