打刻遅れのタイムカードは残業の自己申告か?

2014年1月20日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

労働基準監督署による調査があった事業所様から 『タイムカードを廃止したい』 といったご相談がよくがあります。

労働者によるタイムカードの打刻が実際の始業終業時刻と乖離しているが、他の時間管理の記録がないため、これを始業終業時刻として残業代を支払うよう是正勧告がなされることがあるからです。

あえて残業で行うべき必要な業務をしていたのか分からない中、このような記録はない方が会社に都合がよいということなのでしょう。

 

タイムカードは始業と終業の記録か?

さて、タイムカードの打刻はいつ行うのでしょうか? 普通は、出社時と退社時です。

では、出社時刻は始業時刻でしょうか? これはそうとも限りません。

普通は始業時刻より前に出社して(自主的に)清掃や準備体操などをして、始業時刻から朝礼をするのが一般的ではないでしょうか。

退社にしても、終業時刻を過ぎて会社に残っても、必ずしもその時間に必要な業務をしているとは限らないのではないでしょうか。

 

タイムカードによる記録の問題点

タイムカードは単に出社と退社の時刻であり、実際の現場では上記のような事情があるにもかかわらず、残業代不払いなど争いになった際は、他に客観的な時間管理の記録として反証がない限り、これの打刻時間が業務の開始及び終了時刻と推定せざるを得ません。

ですから、タイムカードのみの時間管理は、会社側から見れば簡単で楽ではありますが、反面、これの運用方法がよほど周知、理解されていなければ危険であるともいえます。

このことから、タイムカードとは別に日報を付けてもらい、または残業申請を出してもらう、もしくは業務以外で残る場合にその旨記載するように徹底するなど、対応策が必要でしょう。

 

労働基準監督署は自己申告制も認めている

労働基準監督署は、労働時間管理を必ずしもタイムカードで行うことを求めてはいません。

確かにタイムカードは客観的な記録として有力な資料ですが、一定の要件のもとでは、これによらない自己申告制も認めています。

我々業界では有名な『ヨンロク通達』というものがあります。正式名称は 『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準』 【H13.4.6 基発339】 といいます。

これによれば、原則としては使用者自らの現認やタイムカード、ICカードなどの客観的な記録を確認することとしつつ、自己申告制による記録とせざるを得ない場合は、次の措置を講じることとしています。

 

〇制度導入前に労働者に対して正しい記録、適正な自己申告とするよう十分な説明をすること

〇自己申告により把握した労働時間が、実際の労働時間と合致しているか実態調査をすること

〇労働者の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数に上限を設けるとか、その他の措置が適正な申告の阻害になっていないか確認し、その要因となっているときは是正すること

 

出勤簿でタイムカードの代わりになるか?

タイムカードは客観的記録ですので、出勤簿の代わりになります。ですが、その逆で出勤簿がタイムカードの代わりになるかといえば、必ずしもそうではありません。

意外と見落とされがちですが、労働時間管理には、出勤日毎の始業と終業の時刻の記録が求められています。市販の出勤簿の多くには、これの記載個所がありません。ですから、その日に出勤したことを示す押印だけでは不十分で、何時に業務を開始して、何時に終了したのかを書き記す必要があります。

 

タイムカードは廃止すべきか?

タイムカードは、残業代の請求根拠となり得る半面、労災の業務上認定とか、メンタルヘルス対策の基礎資料などとしての用途があります。

日々の労働時間管理は1分単位とされている事情から、これのみによる時間管理は給与計算上問題はあるでしょうが、その他の方法により労働時間管理は、それはそれとしてきちんと行い(そもそもそれが難しいのですが)、事故や災害の際、会社に居た時間としての記録は、タイムカードに限らず、何かしらあった方がいいでしょう。それがタイムカードしかないのであれば、廃止による落とし穴がないか検討するのが無難かと思います。

 

 

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