こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
毎年、この時期に労働保険の年度更新をするのですが、その作業で、今回は支払賃金総額が上がったとか、下がったとか、その年の印象を持ちます。
どういうことかといえば、昨年この時期に平成27年度の概算保険料を申告納付した訳ですが、これは、基本的に平成26年度の実際の賃金支払い総額と同額によって計算します。
これを申告済概算保険料額といいますが、要するに前年度の実績を今年度の見込みとするのです。
年度が明けて前年度の実際の実績を見てみると、見込みで概算払いしてあった保険料と、実際に必要だった保険料は当然違っていることが普通です。
概算納付した分が多かったときは、その年の概算保険料に充当したり、逆に少なかったときは、不足として上乗せしたりして調整します。
ですので、保険料率が変わらないのであれば、充当が多い年というのは、その企業では前々年度に比べ、前年度は賃金支払い総額は縮小したことになります。
逆に、不足が多い年は、その企業は賃金支払い総額が拡大したことになります。
これを、毎年繰り返す訳ですが、私個人の印象だと、今年は充当が多かったように思います。
つまり、多くの企業で、賃金総額は縮小したと感じる訳です。
あくまで全体として感じる、単なる印象です。大きく拡大した企業ももちろんあります。
私が事務所を開業した8年ほど前に比べ、このところ広く賃金総額はじわじわ拡大方向に来ていたように思えるのですが、ここにきてそれが後退しているように感じます。
少し前まで、賞与の支払い総額を増やす企業も結構あったように思いますが、このところはあまり見られません。
アベノミクスで大企業はかなり儲けているとか聞きますが、ここ酒田にいて中小企業と接して肌で感じる状況は、平成26年と平成27年度を比べても、決して温まってきているとは感じません。