こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
例えば、地元密着の工務店や中古車屋さんなどで、新入社員を採用した場合、その直後に同業他社の、しかも同様のライバル会社と新規契約していたとしたら、ガッカリですよね。
経営者とすれば、採用直後から自社との信頼関係の問題ととらえますが、新入社員とすれば、何も意識していないことが多いと思います。
しかし、入社前に自社製品の購入自体、これをあたかも強制するような言動があれば、怪しい業者に見え、入社してくれません。
もちろん、労働契約とは、労務提供とその対価の支払いに関することですので、商品の購入や契約を含みません。
これを極端に考えれば、労働者は使用者の指揮命令にだけ従っていればよく、それ以外のことに縛られる理由はなく愛社精神など持つことも示すことも義務はない、ということになります。
提供された労働力の使い方で儲かりもすれば損もする。確かにそれは経営者の責任です。
労働者には職務専念義務は当然ありますが、職務以外に自社に貢献する気がない労働者から言わせればそうなります。
これを正面から言われ、笑っていられますか?
そういう新入社員を雇用してしまったと思うしかありません。
例えば、中古車屋さんで採用した新入社員が、そのあとよその中古屋さんで新規購入した車で出勤して来たら、どうでしょうか?
従業員とその家族全員が自社の工場で行っている点検・車検であってもよそに出し、自動車保険もよそで加入。
職務規律違反で懲戒解雇でしょうか? それは難しいと思います。
意外に家族の抵抗なんかがあり、そこに信頼感が届いていないこともあります。
採用の時点でよくよく見極めましょう。