こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
トラックやタクシーのドライバーの方、販売会社の営業社員の方など、歩合給は一般的に普及しているといえます。売上のうち○%などと決めている会社が多いのではないでしょうか。固定給と歩合給を組み合わせている会社も多いと思います。
働く側からすれば、やればやっただけ賃金が得られ、雇う側からすれば、賃金の変動費化を図ることができ、また社員のモチベーションによって業績向上が期待できます。
経営者が望むのは『成果に応じた賃金』ではないでしょうか。
しかし、請負などでなく雇用である以上、労働基準法はあくまで『働く時間』に対する賃金の支払いを求めます。
この辺は、法と現実とのミスマッチが否めませんが、歩合給に関してはある程度、成果を反映したものとすることができます。
例えばある労働者が10時間働いた日に歩合給を1万円得たとします。この日は法定の8時間を2時間超えたので、2時間分の残業代を支払わなければなりません。
同じ1万円でも日給の場合ですと時間単価(1万円÷8時間)の125%、これを2時間分払います。計算してみると、三千円ちょっとになります
でも、考えてみてください。歩合給なんだから、そもそもこの日は10時間働いたからこそ1万円が得られたのです。8時間だったら8千円しか得られなかったかもしれません。
2時間分の時間単価は歩合給で支払い済みではありませんか?
それに、歩合給なんだから時間単価の計算も1万円を8時間で割るのはおかしいと思いませんか?10時間働いた成果が1万円ならば、時間単価は1千円でしょう。
そうです。頑固な労働基準法でも、ここは理解しているのです。ですから、この場合の残業代は、1万円÷10時間×0.25×2時間分=五百円となるのです。つまり、8時間を超えた分の時間単価は支払い不要なのです。
こういうことを知っておくと、歩合給って、意外といろんな業種で使えそうですね。