こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
2つのお店で比べてみました
休日に、とあるホームセンターのペット関連商品の売り場で、熱帯魚を見ていました。
すると、一緒に連れて来ていた治男(息子4歳)がナマズのような魚を指さして 『このお魚欲しい』 と言いだし、 『じゃあ、買っていこうか』 となりました。
我が家の水槽は最近放ったらかしになっているので、苔が発生し、見栄えが悪くなっています。ポ
ップには 『苔をよく食べる』 と書いてあり、ついでに見た目も面白いので、一緒に入れてやろうと思い、店員さんに声を掛けました。
〇私:この魚、飼育は簡単ですか?
〇店:簡単ですが、大きくなりますよ。苔の除去が目的ですか?
〇私:まあ、それもありますかね・・・。
〇店:苔なら手で取るのが一番です(キッパリ)。
苔の取り方を尋ねたのではない
店員さんからすれば、良かれと思ったアドバイスだったのでしょう。
多くの消費者が苔の除去を主たる目的としてその魚を求めているのかも知れませんし、一方では、手でやるほどの効果がないと言われているのかも知れません。
ただ、苔取りは手でやるのが一番いいことは、言われなくとも誰もが想像できます。ここでは、治男をなだめつつ何も買わずに帰りました。
実際に同じもの(魚)を買ったお店の対応
別の用事で立ち寄った別のお店で、そこにも熱帯魚コーナーがあり、思い出したように治男が 『キラキラのお魚欲しい』 と言いだしました。
売り場に連れていくと、やはりナマズのような魚を指さして欲しがります。ここでも店員さんに声を掛けてみました。
〇私:やはり苔を食べることは魅力ですか?
〇店:そうですね、小型種と比べ物にならないくらい苔を食べますので。
〇私:うちの60センチ水槽で飼えますか?
〇店:大丈夫です。大きくなり過ぎたらお店で引き取りますので、また小さな個体を入れればいいのです。皆さんそうされてますよ。
〇私:引き取った魚はどうするのですか?
〇店:販売します。逆に大きな個体を求めるお客様も多くいらっしゃいますので。
他の消費者の情報が重要か?
なるほど!皆そうしているのか。
やはり、消費者としては、ものが何であっても商品を購入するときは、メリット・デメリットを想像します。このときに、デメリットがあれば他の消費者がどうしているのかお店が教えてくれると安心だなと感じました。
それに、自分と違った環境では別のニーズがあると知ることで、自分の求めるものがはっきりしました。
これで、治男の希望(お魚見たい)と私の希望(苔取りたい)が叶い、かつ商品(魚)の欠点(大きくなる)も解消されました。
2つのお店で違うこと
私は販売の専門家でないので詳しいことは解りませんが、いち消費者の目線で感じたことは次の通りです。
〇消費者の求めを販売者が決め付けていないか?
〇購入後の不安解消のため情報提供をしているか?
まず、前者であるお店では、その魚を求めるのは、水槽の苔を何とか除去したいと困っている消費者であるとの前提で対応しています。
そのため 『この魚を購入してもそのことは解消しませんよ』 と言っているように見えます。
そのうえ 『魚が大きくなると大変ですから、魚に頼らず苔は手で取った方がいいですよ』 ということなのでしょう。
ただ、私のように、真剣に困っている訳でない場合、省略が多すぎて伝わりません。
私の考えるには、次のように言葉による情報提供を省かなければ、このお店で購入していたと思います。
『この魚をお求めの方は水槽の苔に困っている方が多いのですが、お客様もそうですか?』
『購入後に大きくなり過ぎたとお困りの方も多いのですが、お客様はその心配はないですか?』
と、このうえで後者のお店のように 『皆さんそうされてますよ』 みたいなものがあればよかったのかなと思います。
これは私自身の仕事にも通ずることだなと感じました。