こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
少し前のことですが、こんなことがありました。
入社してしばらく経った女性従業員の方が出勤しなくなりました。
連絡も取れません。
退職するのかな? と思っていたところ、まったく知らない男から電話がありました。
慰謝料よこせ!
内縁の夫だと名乗ること男は、次のような主張をしてきたのです。
内縁の妻は会社のせいで心の病を患い、出勤できない。
会社のことを考えるのも嫌だとか、退職したいと言っている。
責任を取って慰謝料をよこせ!
あんた誰?
退職するのは自由なので、その意思表示を本人から受領してください。
私は会社にこう言いました。
何をもって慰謝料などと請求しているか分からず、相手が誰なのかすら分かりません。
会社と本人との労働契約なので、誰だか分からない者の言うとおり、 「はいそうですか」 とはいきません。
辞めると言っていない!
この場合、慰謝料を払って退職処理を済ませた後、ひょっこり本人が現れて 「私は退職するとは言っていません。不当に解雇するのか!」 などと言い、会社がカモにされる可能性を感じました。
そのため、請求を求める損害と業務との因果関係を示すこと、退職するなら本人から意思表示をすることを求めました。
退職証明も書かない方がいい
労働基準法第22条に退職時等の証明に関する規程があります。
相手がうまく解雇のコースに持ち込んだ場合、会社に対して、これに 「解雇の理由」 を記載するよう迫ってくる可能性もあるでしょう。
そして、この場合もひょっくり本人が現れて、 「請求していない、プライバシー侵害だ!」 などと言ってくることもあり得る気もします。
なぜなら、この証明書には、本人が請求しない事項を記載してはならないことになっているからです。
結局、本人の退職届が出てきました
カネを取れないと思ったか、退職届が送られてきて、せめて賃金1カ月分程度の退職金が欲しいと言ってきたので、これを払って解決しました。
社長もこの男以上に気の強い人ですが・・・。 大きなトラブルにならなくて良かったです。