通勤距離が長い人だけ、残業代の単価が多くなる?

2013年12月13日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

まず、通勤時間は『労働時間』でないことが前提となります。労災保険の適用範囲ではありますが、賃金の発生する『労働』ではないですよね。

労働基準法が、その対価としての賃金の支払いを求めているのは、『労働時間』であることはご承知のとおりです。

とすると、通勤距離に比例して決められている『通勤手当』は何なのでしょうか?

 

通勤手当は、労働の対価か?

通勤手当は、労働に対する報酬の性格でなく、一般的には、労働に就くまでの実費弁償的な性格があります。

毎朝会社に行き着くまでに、労働者は実費の定期券代や運賃、自動車のガソリン代等を支出する必要があり、これらを会社が代わって負担することを目的として広く支給されている訳です。

ですから、通勤手当は労働者の提供する労働の質、および量、内容とは関係がなく、労働者が通勤に要する実費に主眼が置かれる訳です。

 

同じ労働時間、賃金で通勤手当を残業単価に入れたらどうなるか?

例えば、同じ時給1000円のAさん、Bさんの2人に、

○Aさんには通勤手当1日200円

○Bさんには通勤手当1日800円

を支給していたとします。

 

2人が各々1時間残業をしたときに、残業の単価が違ってきます。理由は、通勤距離しかありません。

同じ時間一緒に働いたのに、家が近いからと残業代の計算単価を安くされることに、Aさんは納得してくれるでしょうか?

また、仮にAさんがBさんよりたくさん働いたのに、Bさんが同じ残業代を貰うことに納得してくれますか?

 

通勤手当は残業代単価に含めないのが原則です。

労働の対価を求めるのが労働基準法ですから、通勤に対するものは必ずしも同法の求めるものではありません。

ですから、通勤距離に応じて支給される通勤手当は、残業代の単価に含まれないとすることを原則とします。

 

労働の対価ではないとする手当は他にもあります

○家族手当

○別居手当

○子女教育手当

○住宅手当

上記などですが、いずれも労働と関連しない、労働者の属人的な必要に基づくものです。

 

表面的に繕うことはお勧めしません

上記のことから、残業単価から除くものは個別の必要性に基づくものです。

この趣旨に反して一律定額に支給されるものは、たとえ名称が『通勤手当』や『住宅手当』などとなっていても、残業単価に含めることになります。

つまり、手当ての名称は関係がないのです。

よく見受けられるのが、本来は基本給であるものを何かの手当てに変えて、例えば定額の通勤手当2万5千円にすれば残業単価から除外され、かつ非課税になるとか。そんなことはありません。

また、扶養家族数にかかわらず家族手当を定額かつ一律1万5千円にすれば残業代の単価にならないとか、昔はそう考える人がいたようです。

経営者は、今日のコンプライアンスを重視して、それらは忘れた方が得だと考えます。

 

今の社労士、昔の社労士

社会保険労務士も今の人、昔の人がいます。その考え方には違いがあると、私は思います。

私の場合、残業代の単価をすべてエクセルの表計算で算定します。このときに、残業代の単価になるもの、ならないものを明らかにしないと、計算式が作れません。

そして、根拠を持たせるために、手当ての支給目的と対象範囲を賃金規程に記載します。従業員の皆さんに不公平感、不平等感を生じさせないように、きちんと説明できるようにするためです。

一方、昔の時代、上記にあるように、残業単価を抑える目的で、表面上の名称を変えるだけで、根拠もなく残業代が少なくなると指導していた社労士がおられたようです。

公平感や説明根拠など考える必要なし! 昔はそれでよかったのか?

 

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