こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
若い人を中心に、突然出勤しなくなり、連絡も取れなくなる例が頻発しています。
仕事に嫌気がさし退職するならそれでも構いませんが、せめてその意思を会社に示してくれればいいものの、それもせずに勝手に出勤しないばかりか連絡を断つ若者が多く見られます。
メール一本で退職の意思を示す者もいますが、それならましな方です。
退職の意思表示がない場合の退職処理は?
勝手に出勤せず連絡を拒まれた場合、本人が退職したいのかしたくないのか、その意思の確認をしようがありません。
その場合は、就業規則か民法の公示送達を根拠に解雇の意思表示を本人に到達させることになります。
通常は、就業規則の定めを適用することになりますが、その場合、労働基準法第20条但し書きにより解雇予告除外認定が認められる場合の解釈例規の次の部分を意識しなければなりません。
「原則として二週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。」
【正当な理由がある場合は別ですよ】
就業規則に2週間より短い期間を定めていた場合でも、これを意識する必要があると思います。
給与はどうすればいいか?
給与は、多くの場合振り込みで行っていると思います。
そうすると、そのような従業員(元従業員?)にも振り込みで支払うことを約束していることから、振り込みで行う必要があるようにも思えます。
しかし、就業規則で約束しているかどうか確認しましょう。
「賃金は従業員の指定した金融機関の本人名義の口座に振込むか、通貨で直接その全額を支払う。」
会社の選択肢として 「通貨で直接その全額を支払う。」 がありますか?
慣習としてルールとなっていると言われればそれに従う必要があるような気はしますが、本当は労働基準法上は直接通貨払いが原則なので、振り込みによらなくてもいい訳です。
音信不通の労働者に出頭させることができる
普通に考えれば、勝手に来なくなった従業員ですから、経営者としては会社に呼んで一言も二言も言いたいはずです。
ですから、「最後の給料は振り込まないから、会社に取りに来い!」 と言いたい場合もあるはずです。
ちなみに、賃金は2年経過、退職金は5年経過で時効が成立します。
若しくは、そんなこと煩わしいから関わりたくない場合は、さっさと振り込んでしまいましょう。
仮に、その口座が借金等のため差し押さえられていたとしてもそれは相手側の事情です。