雇用期間の定めは意味を失うことがある?

2014年1月14日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

最近は正社員のよりも有期契約労働者の採用場面をよく目にします。多くの場合は1年以内の契約とするのですが、そもそも期間を定めた雇用契約について誤解があるケースが目立ちます。期間の定めをしない雇用契約とは違った制約があるので、多少の注意が必要です。

 

有期雇用契約の上限は?

労働基準法では、期間を定めた雇用契約は基本的に3年を超えてはならないとしています。ただし、60歳以上の高齢者や高度の専門性を持つ労働者は5年までとなっています。

労基法で上限を設ける目的は、長期に渡る雇用契約により労働者が身分拘束されることがないようにするためです。また、3年契約をした場合であっても、1年経過後は、労働者が使用者に申し出ることで、いつでも退職できるようになっています。

 

期間を定めない場合はいつでも解約できる

期間の定めのない雇用契約では、民法の原則では、各当事者はいつでも解約の申し入れができ、解約の申し入れから2週間を経過することにより雇用は終了することになっています。

ただし、この原則には労働契約法をはじめ労働法規によって例外が設けてあって、その解約が使用者による解雇である場合で、その理由が社会通念にそぐわないようなときは、使用者の権利濫用となって無効になるとの構成になっています。

ですから、期間の定めのない雇用契約であれば、もともとの大原則からいえば退職はもちろん、解雇もいつでもできるのです。

 

期間を定めると途中の解約ができない

さて先ほど、期間を定めた雇用契約の場合、長期契約は労働者を拘束するとありました。このことは、労働者が期間途中は、退職したくてもできないことを前提としています。当然使用者による解雇も同様です。

ただ 『やむを得ない事由』 があるときに限り解約できることになっていますが 『その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。』 ともされており、大原則の段階から解約のハードルが違います。

要するに、期間を定めた場合は 『やむを得ない事由』 がない限り契約当事者は共に、期間途中では一方的には解約ができないということです。

 

期間の定めのない雇用契約よりも解雇のハードルが高い

さらに、労働者の都合による場合はともかく、使用者都合による場合はさらに労働契約法第17条の制約があります。この条文は宛先を 『使用者』 とし、禁止事項を 『解雇』 としています。

 

雇用契約に期間を定めた意味を失うとき

使用者の皆さんが労働者と雇用契約する際に期間を定める目的は様々考えられますが、大きく次の4つに分けらるという考え方が有力です。

①純粋有期契約タイプ・・期間満了によって当然に雇用契約が終了する

②実質無期契約タイプ・・期間定めなしと実質的には異ならない状態

③期待保護(反復継続)タイプ・・相当程度の反復更新から雇用継続への合理的期待が認められる状態

④期待保護(継続特約)タイプ・・格別の意思表示や特段の支障がない限り当然に更新されることを前提とする契約

右記のうち①以外には、単純に期間満了を理由に雇い止めすることができないとする 『解雇権濫用法理類推適用』 があるとされています。つまり、正社員を解雇するのと同等の理由が求められるので、結果的に期間を定めた意味を失うのです。

さらに1年未満の雇用期間なのに、1年単位の変形労働時間制を適用している例も見られます。

起算日や雇用期間によって変形期間を通じて週平均40時間以内とならないことがあり、割増賃金の不払い問題も出てきますし、雇用期間を定めた趣旨が何なのか疑問に思うことがあります。

解雇のハードルが正社員より高く、期間満了による雇い止めも場合によっては否定され、さらに変形労働時間制を適用しにくい 『期間の定めのある雇用契約』 をあまり安易に捉えるべきではないでしょう。

 

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