7年前の悪事で今さら懲戒解雇できるか?

2013年10月19日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

 

○あらすじ

・体調不良から欠勤し、後から有給休暇に振替えてほしいと申し出た従業員がいた

・上司はこれを認めなかった

・従業員は労働組合ぐるみでこれに抗議することになった

・挙句に、この上司に皆で暴行した

・上司は警察と検察に被害届や告訴状を出した

 

こんなことがあって、会社としてはこのことを調査し、暴行を加えた主犯格数人を懲戒処分に処するつもりでした。しかしこの上司が被害届や告訴状などを出していたことから、これらの捜査の結果を待ってから会社としての処分を検討することにしたのです。

 

つまり、会社独自の判断を躊躇したのです。

 

そんな中、関連する別の裁判が起こって裁判所が会社側の言い分を認めたため、会社は改めて主犯格の処分を検討し、最後の暴行行為から7年も経ってから諭旨退職処分を命じ、これに応じなかったことを受けて懲戒解雇処分を行ったのです。

 

さて、これは有効なのでしょうか?

 

第1審

暴行傷害事件から長い年月を経てなされていた経緯に不自然、不合理な点があるとして懲戒権の濫用、つまり無効としました。

第2審

各暴行事件から諭旨退職処分がなされるまでには相当な期間が経過しているが、会社は、捜査機関による捜査の結果を待っていたもので、徒に懲戒処分をしないまま放置していた訳ではないとして、有効としました。

最高裁

暴行事件から7年以上経過した後にされた本件諭旨退職処分は、処分時点において、企業秩序維持の観点から、そのような重い懲戒処分を必要とする客観的に合理的な理由を欠くものと言わざるを得ず、社会通念上相当なものとして是認することはできないと述べて、無効としました。

 

特に、諭旨退職処分や懲戒解雇処分など重い処分を課すときは、その判断は迅速に判断すべきということです。また、判断の一貫性欠如が指摘されています。

 

このケースの暴行事件自体は十分に懲戒解雇相当であったと考えられます。就業規則の懲戒事由として『故意に業務を妨害したとき』とか『会社内において、暴行、脅迫、監禁その他これに類する行為を行ったとき』に該当するものです。

ただ、会社はこれを認識しつつ、懲戒権行使を躊躇ったことにより7年も経ち、いまさらでは権利濫用とされたのです。

しかも、ことさら慎重に考えて懲戒解雇よりも一つ軽い『諭旨退職(退職金は出す処分)』としたにもかかわらず会社にとって不幸な結果になりました。

 

きっかけは、たった1日の有給振替を認めなかったことから始まったのです。職場の人間関係、信頼関係、どうなっていたんでしょうね。

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