山形県酒田市の社会保険労務士 国民年金・厚生年金などの年金相談

    国民年金・厚生年金・共済年金などの公的年金

年金記録の消滅原因は主に3つ




次のようなケースでそれぞれ手続が必要なのですが、平成9年の基礎年金番号の導入前においては年金手帳を紛失したり、正しい手続を行わなかった場合に年金手帳が複数発行されていることが考えられます。

  • 学生で国民年金に加入した
  • 転居した
  • 就職して厚生年金に加入した
  • 結婚・離婚して姓が変わった
  • 退職した

例えばこんなケースです。
●18歳で就職、厚生年金に入っていたが20歳前に結婚退職。姓が変わり、新しい姓で20歳から夫の扶養に入る。
この際の手続で年金手帳を紛失しており、国民年金の第3号被保険者として新規加入。
・・・18歳からの厚生年金記録が宙に浮く

●学生で国民年金に加入していたが、就職前に自営業者と結婚。同時に転居し、転居先で新しい姓で新たに国民年金に加入。
この際の手続で年金手帳を紛失しており、国民年金の第1号被保険者として新規加入。・・・学生時代の国民年金記録が宙に浮く

この他にも様々考えられますが、重要なことは姓が変わった際、厚生年金・国民年金の加入制度が変わった際、国民年金で住所地が変わった際には年金手帳を添付し、手続をしなければ年金番号の引継ぎが成されず、新たな年金番号の記された年金手帳が交付されることになることです。

年金手帳や年金番号を複数持つこと自体は問題ありません。
ただ、この年金手帳を1つでも紛失してしまうとその手帳や番号に記録されている年金加入記録が社会保険事務所のオンラインから取り出せなくなる可能性があるのです。
年金手帳に記された年金番号はパスワードのような役目がありますので、大切の保管し、できれば早めに社会保険事務所で番号を一本化してもらってください。

基礎年金番号の導入にあたり、この複数の手帳と番号を一本化することが前提になっていましたが、いまだ手続が成されておらず、さらに年金手帳も紛失してしまっている人が大勢います。これが今話題の宙に浮いた年金の一部となっているのです。


TOPへ



厚生年金の手続は会社が行うことになっています。そのため、上記のほか会社が手続を間違うことがあります。正社員で厚生年金に加入していたはずなのに未加入になっていたり、扶養に入っていたはずなのに未納になっていたりするのがその例です。

この場合、考えられる原因は次のとおりです。
  • 資格取得届に記載するヨミガナや生年月日を間違えた
  • 資格取得届を出し忘れていた
  • 扶養異動届を出していなかったり記載ミスがあった
  • 資格取得させず、会社が保険料をネコババしていた
また、被保険者資格の取得(入社)に際しては本人が会社に年金手帳を渡さなければ年金番号を記載、添付できないため、会社が新規の加入として処理したことも考えられます。こうなると年金手帳が2枚交付されるこになり、後にこれを一本化する必要が出てきます。
このほか、厚生年金は事業所(支店や支社)単位ですので転勤や出向などの際、前勤務先の被保険者資格を喪失して新しい勤務先で被保険者資格を取得します。通常この手続は同日をもって行う(同日得喪といいます)のですが、会社のミスにより空白ができてしまうと被保険者期間が”消える”ことがあります。
転職や転勤の多い人の年金は要注意といわれるのはこのためです。


TOPへ



今回の問題で国民の怒りが収まらないのは、役所の管理のずさんさにあるといえます。しかし、ここで憤っていても前に進みませんので冷静に考えてみます。

昭和36年に始まった国民年金は当初、市区町村が手帳を交付し、加入者の名簿を作成していました。これを基に社会保険事務所が加入者の台帳を作成し、社会保険業務センターが個人ごとの原簿を作成・管理をしていました。

この、市区町村 社会保険事務所
社会保険業務センターという情報の流れの中で漏れやミスがあった可能性が指摘されています。

さらに、昭和50年台半ばから原簿のコンピュータによるオンライン化が始まりました。その過程において移管のための入力作業は手作業で行われました。ところがその作業で入力漏れや誤りがあったとのことです。
オンライン上では個人の名前は全てカタカナで、年金番号や生年月日などは数字で表記されます。これを間違えたために、本人が年金を請求した際に添付された戸籍謄本と合致せず、他人の年金とみなされることになります。しかし、そもそも間違って入力された情報ですからこれに合致する人はいない訳です。これこそが今回問題となっている”宙に浮いた年金”そのものです。

これに輪をかけて許せないのは、記録確認の最終手段である原簿そのものを廃棄してしまっていることです。これを指示したのが当時の社会保険庁長官だというのです。
ただし、原簿はマイクロフィルムというもので記録されているようですのでこれに期待がかかります。

このページのTOPへ