転職自体が要注意というわけではありません。 このような人の場合、厚生年金に加入したり国民年金に加入したりを繰り返すことになることから、その度に年金手帳を正確に管理していないと何枚もの年金手帳を持つこととなります。 さらにこれら何枚もの年金手帳を全て保管していれば問題ないのですが、紛失してしまうと記録を統合することができません。 したがって、統合できない年金記録は宙に浮いてしまう可能性がある訳です。 平成9年の基礎年金番号導入前は国民年金、厚生年金それぞれ別々の年金手帳が交付されていましたので、なおさら紛失しやすいのです。 年金記録を確認する際、紛失した年金手帳の番号が不明であっても生年月日と名前のヨミガナの正確な記録があれば、あとは勤務先の名称や所在地から年金記録を探し出せることがあります。しかしこの場合も勤務先の名称等も忘れやすいので、要注意ということになります。 厚生年金は事業所(支店や支社)単位ですので転勤や出向などの際、前勤務先の被保険者資格を喪失して新しい勤務先で被保険者資格を取得します。通常この手続は同日をもって行う(同日得喪といいます)のですが、会社のミスにより空白ができてしまうと被保険者期間が”消える”ことがあります。 転勤などが多い人の年金は要注意といわれるのはこのためです。 たとえば、山形本社から酒田支店に8月25日付けで転勤になり、その日に山形本社の被保険者資格を喪失したにもかかわらず、酒田支店の資格取得が9月1日であった場合、8月は丸々1ヶ月間被保険者でなかったものとなってしまいます。 これは、厚生年金の被保険者期間は月単位で、さらに喪失月の前月までがカウントされることになっているからです。つまり、7月までが山形本社で加入していて酒田支店の加入が9月になるので8月が空いてしまうのです。 このようなミスが何度もあれば当然、将来の年金額に響いてきます。 この場合の取得日の訂正は2年という時効が決められているので、心当たりのある人は早めに会社まで問い合わせてみてはいかがでしょうか。 契約社員などの場合、実際の入社月からではなく、数ヶ月経てから厚生年金に加入するケースが多く見られます。その分、年金は少なくなるのですが、これは致し方ありません。 それよりも問題は、この被保険者期間を記録した年金手帳を紛失した際にその記録を探し出すことが困難なケースがあることです。派遣や季節労働者にもいえることですが、自分が思っていた会社と別の会社に雇われていて、そこで加入していたということがあります。 親会社に雇われたと思っていたら、実際にはその子会社に雇われていて記録を探す際に事業所名などで出てこないこともあるため、注意しましょう。 派遣社員は派遣先ではなく派遣元で雇用されています。 したがって、厚生年金には派遣元の会社で加入しています。 このとき新たに年金手帳が交付されたとしても、この年金手帳を保管していれば問題ありませんが、紛失した場合は注意が必要です。 記録確認の際、派遣先で記録を探しても記録は出てきません。必ず派遣元の会社名を覚えておきましょう。 建設業などの季節労働者の方は季節ごとに入社・退社を繰り返すこと、短期に厚生年金に加入するため事業所名が多岐にわたること、元請・下請け関係があることなどから年金記録を確認する際に難航することがあります。 理由は次のとおりです。
雇用保険の記録を調べることです。 季節労働の場合は毎年離職するため、本人が雇用保険の特例一時金という給付を受けているのが通常ですので、この場合必ず雇用保険の記録があります。 ここに会社名や所在地、雇用期間などが記録されています。 厚生年金はその原型が昭和17年に始まります。 国民年金が始まる前、厚生年金の原簿がオンライン化されるずっと前から存在する制度です。最近になって、すでに亡くなられた方の加入記録が見つかることがあります。 主には次のものがあります。
これらは最も古い”宙に浮いた年金”に他なりません。 年金時効特例法の成立により、これら新たに見つかった加入記録による年金を遺族が請求できることになりました。詳しくはこちら すでに倒産により消滅した会社でも年金の記録は残っていますので何も心配は要りません。ただし、当時の年金手帳があるか、事業所名や所在地が分かる場合です。 当然ですが、何も分からなければ、あなたの名前で出てきた記録であっても、あなたのものとは認められません。 どうしても思い出せないときは社会保険事務所の職員にヒントをもらいましょう。 最初「ヤ」から始まる会社名ですよ、などとヒントをくれる職員もいます。 また、オンラインで出てこなくても社会保険事務所に台帳があって、そこから見つかることもあります。 詳しくは「コンピュータで確認できないときは」をご参照ください。 |