こんにちは!酒田の社会保険労務士、村西です。
厚生労働省の「就労条件総合調査」というのがあって、先日それの結果を見ていたのですが、やっぱり小規模事業者は大規模事業者の真似はできないなと思いました。
この調査は企業規模を従業員数で99人以下から1000人以上に段階的に分けて集計しています。
今年4月から年次有給休暇の年5日取得義務がスタートしましたので、気になるのは年休消化率です。調査結果は平成30年のものなのでその前の結果ですね。だから、これが元の市場原理の数字だと思います。
覚えている限りですが、「1000人以上」では58%超えていたのに対して「30人から99人」では47%くらいだったと思います。
あまり差がないと思いますか?
これは、そもそもの年間休日数を合わせてみると結構な差に見えてきます。
「1000人以上」では119日に対して「30人から99人」では109日です。年間休日数で10日も違うのです。そのうえ年休取得率も10ポイント以上差がある。これが本当の差なんだなと思いました。
この要因は様々あると思うし、受け止め方も人によって違うと思うのですが、私はこう思います。「働き方改革」を大規模事業者が大規模に行うほど小規模事業者はあおりを食う。
それと、中小企業庁がこんなパンフレットを公開していました。「『働き方改革』を阻害する不当な行為をしないよう気を付けましょう!!」
発注者による買いたたきや直前キャンセル、受領拒否をしないようにとのことで、「働き方改革」によるしわ寄せを小規模に及ぼさないよう呼び掛けています。
注目したのは、小規模事業者が独自の努力による業務効率化で得た果実を摘み取らないよう、つまり大規模事業者は値下げの口実にしないように求めています。
これ、現実なら小規模事業者がどんなに努力しても、その果実は大規模事業者に吸い取られてるから、小規模事業者の現場で「働き方改革」は無理ってことなんですかね。
これを是正しようと役所が呼び掛けても、パンフレットで発信している内容は「しないよう気を付けましょう!!」ですからね。