マイナンバー時代に、スポット受託はあり得ない

2018年10月11日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

つい先日、起業前だという方がご相談に来られました。

数人の従業員を雇用するということなので、私の分野としてまず必要なのは労働保険関係の成立手続きと雇用保険の適用事業所設置手続き、社会保険の新規適用手続きです。あと意外に重要なのは賃金締日を決めることです。

法人の登記簿を添付して、雇用したらすぐに済ませてくださいと説明しましたが、もしこの手続きをスポットで依頼されたら受けるかどうか考えていました。なぜなら、マイナンバーを含む特定個人情報がないとできないからです。一方で顧問契約が必要とも思えない。

マイナンバー法に合わせて、当事務所では特定個人情報を専用のクラウドで管理しています。特定個人情報を集めて入力して、会社単位でのクラウドサーバーのIDやパスワードを設定してしまえば後の手続き関係は電子申請で簡単に行うことができます。社会保険の新規適用や資格取得手続き、扶養追加なども全部パソコンでできます。その代わりに、最初の情報収集に時間と手間が掛かります。

顧問契約でしたら、最初に大変な思いをしたらそれを活用して様々な手続き関係を代行できますが、スポットではその後の手続き関係の代行はありませんので、ここまでやった情報はすべて破棄しなければなりません。要するに、割に合わないのです。10年前の紙申請に戻る気はありません。

社会保険労務士に必要な知識は昔から変わらないかもしれませんが、その業務内容というか実務は10年前とは全然違うのです。昔は手続き代行する「作業」に対価を頂いていたのでしょうが、今は「管理」に対価を頂かないと「作業」もできないのだと思います。特定個人情報の安全確保措置を義務付けられていますので。

そもそも、その作業の「依頼」も依頼者側の判断で済んでいた時代もあったのかもしれませんが、どんな時にその作業が必要になるのか、依頼者はそれを知りません。例えば社会保険の随時改定や労働基準法の36協定など知らない会社が山ほどあります。そこそこの人数規模の会社であってもです。

昔は、酒田は鶴岡と比較してスポットが多いと聞いたことがあります。その流れかもしれませんが私にもスポット依頼はあります。しかし今の時代はクラウドサーバーまで用意して特定個人情報の管理に責任を持たないといけないのに、昔のようなスポット報酬で依頼を受けるのはあり得ないと思います。

強くその思いはありますので過去にもブログに書いているかもしれませんが。

 

 

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