こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
何年も前の話です。今は存在しない会社でのことでしたが、その会社は助成金が大好きで、助成金コンサルタントなどと名乗る人に助成金の申請代行を依頼していました。
雇用関係の助成金申請は、労働法規を遵守したうえで要件に該当すれば、ほぼ確実に受理されます。ただ、最近は生産性という新しい要件が加わったので、この部分は該当性が確実ではありません。
そんな助成金ですが、社会保険労務士でなければ代行することができません。もちろん社会保険労務士が助成金コンサルタントと名乗ることは構いませんが、この会社が依頼したのは単なる業者であり、社会保険労務士ではありませんでした。その場合、そもそも代行印を押せないので結果責任を問えませんよね。
そのときは、助成金を紹介したのは私でしたが、労務管理に問題がある会社だったので、社会保険の加入要件や労働時間管理、36協定や就業規則などをきちんと理解して頂いたうえであれば、という条件で私が代行するつもりでした。何しろ、36協定が、どんなに労働させても残業代不要にする魔法の書類であると勘違いした会社だったからです。
しかし、そのコンサルタントは「現状で何百万円は固いですよ!」などと言っていたそうです。そのため、私はコンサルタントへの依頼を危険と感じ、止めるよう忠告していました。
その後、初めのきっかけは忘れましたが、そのコンサルタントが社会保険労務士でないことが問題となり労働局とトラブルになったようです。労働者が自ら記載すべき申請内容をその会社の責任者が記載していたとか、そんな話だったと思います。
このことが発覚し、労働局から担当者が調査に来たのでコンサルタント同席で対応したところ、案の定、その違反も発覚したようでした。直接の因果関係は知りませんが、結果これまでに受給した助成金は全て返還し、不正受給とのことで今後3年間は助成金申請が禁止されました。
残念ですが、社会保険労務士の代行印ではないので事業主の自己責任。