労働時間を短縮すれば時間外単価等はアップ

2020年1月17日

こんにちは!酒田の社会保険労務士、村西です。

とある顧問先様が、新年度から1日の労働時間をこれまでよりも短くし、かつ休日数はそのままとすることで待遇を改善したい。この場合、就業規則の変更のほか、どんな手続きや課題が考えられるかとご相談に来られました。

そもそも、この顧問先様の労働条件は、労働基準法に比べてかなり優遇されています。その上さらに待遇を改善するなど凄いなと思ったところです。なかなかこんな会社はないです。

私としては、当面は雇用契約上の1日の労働時間はそのままで、独自の制度として時短分の労働義務を免除もしくは待機とするという説明をすべきではないか。これでうまく行くようならば契約上の労働条件として就業規則にしましょう。

そして、当面免除されたとする場合、その時間も業務継続せざるを得なかったとき、当該労働者の給与はどうなるか決めて欲しいと申しました。契約上は超えていないのだから別途追加はないことを納得してもらえるのか。

さらに、労働条件を変更した場合、月給の場合は時短しても給与がそのままであれば、時間給換算の給与は上昇する訳です。そうなると、時間外労働や休日、深夜労働における割増賃金等の単価も上昇します。時短したがゆえにこれらの賃金不払いが発生することがないように注意しましょう。

時短によりしばらくは、これまでよりも所定外や休日出勤が増えることが予想され、かつその単価も上昇するので、会社のコストアップを試算すべきでしょう。

あと、細かいことを言えば、社会保険免除となる労働者とは通常の労働者に比べて労働時間や労働日数が4分の3未満の者とされていますから、通常の労働者の所定労働時間が短縮されることによって、その要件を満たさなくなる者がいないか確認しましょう。

これらの結果を見て、来年度の労使協定とか就業規則改定内容など決定しても良くないですかね。

 

 

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