こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
新規の顧問先様の就業規則を見せてもらったとき、高確率で違和感を感じるのが、用語の定義が統一されていないということ。
同じ規程の中に「賃金」と「給与」とが混在していたり「従業員」と「社員」が混在していることが多いです。
また、法律用語でもない用語を定義なしに用いたりすることも多く見受けられます。例えば「残業」とか「基準内・外賃金」とかです。
基準内賃金とは、一般的に時間外労働等に対する割増賃金の計算基礎に含み、基準外賃金とはそこに含まない手当を指しますが、規程の中に、どの手当が、どんな趣旨により、どちらに該当するのか、定義がなく、よく分からない場合が多いです。
規程で言いたいことは分かりますよ。でも根拠がないのです。
私は、基本給を含む「基準内賃金」とそれ以外の「基準外賃金」、あとは時間外等の「割増賃金」と大まかに分けます。さらに「割増賃金」とは、法定の25%とかの割り増し分のことなのか、契約上の通常の時給単価の100%を含む125%のことなのかも規程の中で定義付けます。これは、強行法規の話なのか、契約上の話なのかの区分です。
本則とは別規程になっていたとしても、賃金規程は特に用語の定義は重要です。給与計算システムの設定の中身そのものが賃金規程に当たりますから。
とはいえ、その設定がまだ固まり切っていない場合は、とりあえず現状で良いかなと考えています。
私も実務で給与計算をしていてその苦労が分かるのですが、会社が自動計算の仕組みを構築しない顧問先様の担当者がこれによって負担が大きいようでしたら、細かな突込みはしないようにしています。それに、経営上の柔軟性も確保しないといけない。
もちろん、ご希望によっては重箱の隅を突いても良いのですが、就業規則を専門に経験してきて、パズルのように組み立てると必ず隙間なく四角になるような就業規則が、果たして経営上の経済的価値があるのかと考えるようになりました。特に賃金規程。