こんにちは!酒田の社会保険労務士、村西です。
私と関係のない会社の話ですが、びっくりすることを聞きました。
パートさんが退職する際に、残った有給休暇を必ず消化して辞めるようにと言っているそうなのです。
これ、顧問先様の求人に応募してきた方から聞いたそうで、担当者の方から、そんなことってあるんですか?と質問されたのです。
消化して辞めるかどうかは労働者が決めることなのに変ですよね。
確かにそれを希望する労働者は多いのですが、会社が強制できることではありません。もう次の就職が決まっているかも知れないですから。自己都合の場合、基本的に退職日は労働者が決めることです。
それに、年休の権利を放棄して退職しようとする労働者に「その権利を行使してから辞めろ!」というのもおかしな話です。年休の取得は、原則として労働者による時季指定権の行使です。これは退職と同時に消滅する権利なので。
さらに摩訶不思議なのが、退職時に消化した年休には賃金を支払わないらしいのです。それでは年休消化になっていない。なのに、その間は退職禁止?まったくもって意味不明!
どうなっているんだその会社は?
なぜそんなことになっているのか考えてみたら、昨年4月からの、年次有給休暇の年5日取得義務化が絡んでいるのかも知れません。これがあるから表面的に考えて形式上消化させたことにしたいと。
これにこだわっているのか?
実はこれ、誰もが知っている学校教育機関の法人らしいのです。だからまさかの驚き!
顧問先様としてはその方を採用したいらしいのですが、本人もいつ前職が退職になるのかよく分かっていないというので、そんな質問を受けました。
私が思うに、採用する側としてはあまり関係ないので、前職の法人との話は本人が労働基準監督署に相談されてはいかがでしょうかね。多分、この件は動いてくれるでしょう。