年金で残念な思いをしている社長

2018年10月12日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

つい先日、ご高齢の方と思われる方から電話がありました。

年金のことでちょっと教えてほしいというので、「年金事務所に聞きましたか?」と応えたら何回も聞いているが分からないということでした。

「困りましたね、年金事務所で分からないことは私でも分からないかも知れませんが、何でしょうか?」と一応ですが話を聞いてみることに。すると、誠に残念な話で、とても同情してしまいました。というのも、こういうことらしいのです。

この方は法人の経営者で、従業員は家族だけの3人の会社だそうです。そこに最近、年金事務所から社会保険加入の手続きをするようにと通知がありました。どうすればいいものかと当事務所に電話して来られたそうです。法人は社長一人でも社会保険は強制適用なので確かに、手続きしなければならない状態です。

このことを伝えましたが、「加入したかったが、社会保険事務所(今の年金事務所)で相談したときに、加入すべき人数が5人未満なので加入できない。」と聞いていたそうなのです。それ以来、社会保険事務所からの連絡も通知も何もなく、この方はずっと長い間、自分は社会保険に加入できないものだと思い、国民年金を収めてきました。

30年以上も法人経営をしてきたのに何を今さら・・・もう70歳になっています。厚生年金の加入歴は1ヶ月もないそうです。厚生年金保険料を納められたら、今の年金受給額は全然違っていたでしょう。

30年?なるほど、30年くらい前なら法人でも5人未満であれば社会保険は強制適用でなかったと聞いています。つまり昭和の時代です。昭和60年代までは適用除外だったのだろうか。きっとその頃に社会保険事務所で相談したのであろう。法人がすべて強制適用になったのは平成元年のことです。

そこから制度が変わったのであれば、なぜそれ以来、ずっと長い間社会保険事務所は何も言ってこなかったのだろうか?

おそらく、法人登記情報や税務情報と連携していない時代は、社会保険事務所としても未加入法人の情報がなくそれができなかったものと思います。それが、法人番号で紐づいた今、連携できるようになり年金事務所に未加入法人の情報が入るようになり、そのような通知を今になってしてきたと思われます。

息子さんのために社会保険加入手続きをするのは構わないが、自身は70歳になっており年金はもう増やせない。事業を息子に引き継ぐ予定はなく、間もなく事業を辞めると言います。夫婦で基礎年金のみの暮らし。会社も畳むのに、それなのに今から会社の社会保険加入が必要なんですか?

 

 

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