こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
労務トラブルは完全に予防できればベストなのですが、当然そうもいきません。どうしても円満解決ができず、使用者の懲戒権行使や、最終的に懲戒解雇に至ってしまうことがあります。
このような場面に遭遇するたびに思い出す風景があります。
私は土曜日は普段休みなのですが、顧問先様から突然電話がありました。土曜でもお構いなしに掛けてくる顧問先様なので、特段気にすることなく電話に出ました。
そうしたところ、電話先ではすごく焦っていろんなことを聞いて来たのです。土曜といえども普段とは違った様子です。何かトラブルか?
「22条の証明って何だ?」解雇予告をしたか、すでに解雇してしまったか忘れましたが、解雇対象の当該労働者の親からそのような要求を受けているというのです。
「22条って退職時等の証明とかいう労基法のあれか・・・」とすぐに思い当たりました。とすれば、それを請求できるのは労働者本人なので親は関係ありません。それに、労働者が請求しない事項を書くことはできないので、証明事項のうち何を請求しているのか本人に確認しなければ交付できません。
そしてその前に、具体的な解雇事由は何なのか経緯も聞いていません。まずはそれから教えてくれって思ったのですが、ちょっとそのときはそれもできない状況でした。
電話先では「解雇予告はしたのに、その証明事項って何なんだ!」と興奮しているようですが、私も「いや、それは後で・・・」という状況です。
なぜなら、そのとき私は幼い子を連れた家族で船下りのその最中だったからです。船上では他人から離れることも隠れることもできない。
たまにいますよね、観光地や温泉で仕事の電話をしている人。特にITとか、それって関係ない人からすると、業界なのか社内なのかの専門用語で内容が分からないですよね。
それと違うじゃないですか、解雇とか労務のトラブルの話は。
幼い子供を連れて観光を楽しんでいるそこのパパが、懲戒だの解雇だの電話で言い出したら雰囲気ぶち壊しですからね。
だからそれ以来、そのようなご相談や通知書類を作成する際、あのときの船下りの風景が浮かぶのです。