こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
本日も顧問先様より質問があり、その内容から、その顧問先様の独特の考え方の問題かなと、改めて思いました。つまり、法律上の労働時間とは何か、賃金とは何かを理解されていないのですね。常に”情”で判断しているようです。これまでは。
それが、そこに少々問題提起する従業員さんが出てきたところで、最近になって私にご相談頂くことで少しずつご理解されてきていると思うのですが、まだ労働契約という”契約”の本質みたいなことが分かっておられないようです。この顧問先様は個人情報を扱わない契約である「相談顧問契約」です。
私は、労働契約を、労働者が自己の労働力の処分権を使用者にゆだねる契約と思っております。そして賃金はその対価ですが単位は時間です。だから賃金はすべて時給だと思っています。
今回は労働者の一方的な自己申告による時間外労働でもなく、客観的に上長も確認済みの出勤簿で所定労働時間を超えているそうなので、そうすると、どうしても時間外労働に該当する事案なのですが「今までは特段そういうことを考えてはいませんでした。」というのです。
少々驚きなのですが、その顧問先様はそんなに小さな規模でもなく、安定して現在の地位にあるようで、私が訪問しても従業員の皆さんの教育にも力を入れているんだろうなというイメージです。大きな労使トラブルは、おそらく過去になかったと思います。要するに、立派な会社なのです。
経営者の方とも当然お会いしますが、おそらく長年ブレのない経営理念でここまで会社を成長させてきたのだろうと思います。ただ、労働基準法などにはあまり関心はないし情報もない。しかし、立派な経営者です。
労基法に違反する企業を”ブラック”だと評価する風潮がありますが、この顧問先様は理不尽に労働者を酷使するようなことは決してしません。だから従業員さんも追いてくるし会社自体もここまで来た。
私も就業規則を作成する際にずっと思って来たことですが「”掟”も大切ですが”情”も大切」ということ。法律上、書面にすべきはそうする必要があるので代行する。
私達、社会保険労務士はそこのバランスを具体化する職業なのだと思います。