解雇は、使用者が一方的に労働者に弓を打つ印象です

2020年4月2日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

解雇とは、使用者の意思表示により、労働者の合意なく、一方的に労働契約を解約することです。

普通解雇とか懲戒解雇とか類型はありますが、「使用者の意思表示による」「合意なく」「一方的に解除」この3つの要件は共通しています。まあ、合意がないから一方的なので2つの要件かな。

これに対して、退職勧奨というものがあります。どちらも使用者の意思表示によるものですが、この場合は労働者との合意がなければ解約できません。

だから、解雇する場合は、必ずその前に退職勧奨すべきです。ここで合意が得られれば一方的な契約解除ではないので解雇には該当しません。ただ、その過程で騙したり脅したりはダメですよ。

退職勧奨によって合意解約が成立すれば、解雇による後々のトラブルが回避できる訳です。そのために解決金の交渉をすべきなのです。

昔のアメリカ映画で見た記憶がありますが、労働者が何か問題を起こして、これに対して社長が激怒「お前はクビだー!」というのが本当の解雇だと思います。それも即時かつ懲戒解雇ですね。前触れなき極刑です。

余程のことでない限り、日本でこれをやったら、その後、法的なトラブルになります。しかも、概ね会社は敗訴します。日本では、在職中は人事権による会社の権利が強くても、一旦組織から排除された労働者の権利保護はそれよりも強いです。

「解雇に異議を申しません」とか雇用契約書に書かせたり誓約書に書かせたりしているところもあるようですが、意味ないと思います。形式上そんな事前合意あったかのような場合でも、実際に解雇した場合、自然退職とか合意解約が成立したとならないからです。

懲戒事由に関係なく一方的に「お前はクビだー!」といわれたら何があっても「異議を申しません」とする事前合意があったがのごとく形式を作っても、それを裁判所が認めるはずないじゃないですか。

心理的な効果しかなく、逆に不信感を生じているのではないかと思います。

始末書とかに書かせることもあるみたいですが同じだと思います。「次同じことをしたら解雇を受け入れます」旨とか書かせても、一方的な解約なので、受け入れてもらうものでないと思うのですけど。「辞めます」なら分かりますが。

 

 

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