賞与の支給日在籍要件は有効、返還規定は無効

2020年4月30日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

賞与の支給時期が近づいてきましたね。

賞与の支給日を明確に〇月〇日に支給すると書いてある就業規則は珍しいと思いますが、大体毎年その月の給与支給日とか、月末とか、一定の日に支払っているのが普通かと思います。

そうすると、もともと退職希望だった従業員の中には、今度の賞与をもらったら辞めようと考える人もいるかも知れません。

もしくは、自分で退職日を選択できない退職者として、賞与支払い直前で定年退職になる従業員の中には、在籍に応じた賞与を支払って欲しいと考える人もいるかも知れません。

事業主の皆様の中には、そのような人にも賞与は支払わなければならないのだろうかと思うことがあるかも知れませんね。

そんなときは就業規則を見てみてください。賞与支払いの条件として「賞与支給日に在籍する者を支給対象とする。」とか「支給日に在籍する者のみに支払う。」といった支給日在籍要件はないでしょうか。

このような要件があるとすれば、その直前に退職した者には、支払い義務がないことになります。定年を含めてですね。

ただ、もらったら辞めようという人は、当然そんなことは黙って支給日には在籍する訳なので支払わないといけませんね。たとえ就業規則で「支給日から〇か月以内に退職した場合は返還させる。」としていても難しいでしょうね。

退職の意思を事前に会社が知っていれば支給額は減額していたとして、かなり明確な計算式を定めた場合は一部認められた判例はありますが、普通は裁判するほどのことでもないでしょう。

その後の賃金で一方的に相殺することもできませんし、もしやってしまったら、それこそ本物のトラブルになるでしょう。

 

 

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