手当の趣旨が不明確だと、将来のリスクが増加します

2020年7月28日

こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。

例えば、従業員さんを本店から支店に転勤させるときなど、特に転居を要する場合には特別に手当を支給することがあります。手当の名称は「転居手当」とか「別居手当」とか様々あると思いますが、元の本社に戻った場合には終了する手当だったとします。

そうすると労基法37条に係る規則21条の割増賃金の除外手当なのか? という疑問が、給与計算をしていて生じることがよくあります。

要するに、その手当は割増賃金の算定基礎から除外しても良いのか、含めるべきなのかということです。これは、通勤手当とか家族手当のように労務提供と直接関係のない、個人の生活環境による手当なので、割増賃金の算定基礎から除外するのと同様に扱うべきかと迷うのです。

なぜかといえば、「転勤」は業務命令であって、それに伴い必要になる「転居」は個人の生活環境によるとも思えないからです。その命じられた業務を遂行するために、その対価として支給される手当と考えれば、通常の労働の対価ですよね。

確かに、規則21条には「別居手当」というのが列挙されています。しかし、これは別居に伴う費用の補償だと思います。単身赴任の場合で、別居の扶養人数で算定されるとか、休暇や休日の帰宅に掛かる費用によるとか、その金額の根拠と内訳があれば有効だと思います。

これは、明確な答えは見つかりませんが、要するに、ざっくりと「月額〇〇万円上乗せするから〇〇支店に転勤してくれ」といったときに「分かりましたその条件なら」という場合は割増賃金の算定基礎から除外できないと思うのです。何らかの費用の補償でも何でもないじゃないですか。根拠も内訳もないので。

特に中小企業で前者のそのような転勤は滅多にないと思うので、その都度の判断で決めていることが多いと思います。そうすると、多くの場合で後者に該当するかな。

とすると、万一未払い残業代の請求を受けたとき、規則21条の「別居手当」だという根拠もないので困ると思います。その請求権の時効は現在3年、今後5年になる見込みです。

細かな視点ですが、今のうちに点検した方が将来のリスク管理になりますよ。

 

 

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