こんにちは! 酒田の社会保険労務士 村西です。
夫がサラリーマン。社会保険の被保険者で、妻がその扶養になっているというのは世間一般的なケースです。もちろん逆もありますが、モデルケースとしてはこうなるでしょう。
例えば、妻が離職して雇用保険の基本手当を受給しないケースでは、多くの場合、妻は離職後すぐに夫の扶養になることができます。
夫の会社としては、夫からそのことの申し出があったときに、これに基づき扶養追加の手続きをします。これによって妻は国民年金の第3号被保険者となるので保険料の納付が要らなくなります。
ただ、その後困ったことになる妻がいます。それは、妻が短期であっても就職して勤め先で社会保険の資格を取得してしまい、夫の会社がそれを知らずに扶養削除の手続きをしていないケースです。
妻が自身の勤め先で社会保険の資格取得をしたときに、同日をもって夫の扶養から外れるので、被扶養者としての保険証は夫の会社に返却しなければなりません。ところが、夫が「妻の就職は短期だったし」と夫もこれをせず会社に黙っているケースがあります。
本来は、夫の会社では妻の資格取得の際に扶養の削除申請をし、妻の資格喪失の際に扶養の追加手続きをするのですが、夫が黙っていたために会社はそのことを知らず、いずれの手続きもしていなかったとします。
そして、夫も妻もそんなこと忘れるほどの年月が経ち、妻が老齢基礎年金を受給する年齢になり、いざ請求手続きをしてみたら、国民年金保険料の未納により受給権がないことが判明。
あれっ、夫の扶養になっていたから保険料の納付は不要なはずでは? そう思って、これまで年金関係のいろんな通知は無視して、鼻かんでゴミ箱に捨てて来ました。
妻は訳が分からず、夫の会社に問い合わせてみます。夫の会社の返答は「こちらでは扶養追加の手続きはしましたが、その後何もしていませんよ。」
そうです。妻が昔3号になった後に、就職により社会保険の資格取得をした結果扶養から外れて、ほどなく離職の際に再度扶養追加の手続き必要でしたが、これがされていなかったのです。
だから、それ以降の国民年金保険料の納付は必要であり、納付していない期間が未納期間にカウントされていたのです。しかも、納付の時効も切れています。
こんなこともあり得るので、夫は妻がどこか他から保険証をもらったときは、必ず会社に報告して、妻の被扶養者としての保険証は会社に返却しましょう。